崩れてしまった稲荷社のお狐様(狐像)を新たに製作。思い出の地、渋谷区初台にて

東京でお墓づくりをされたい方、またご先祖様のお墓の手直しや建て替えをされたい方のお手伝いをしております、一銀(かずぎん)石材の稲田圭二郎と申します。渋谷区初台にて、お狐様(狐像)を新たに設置させていただきましたので、ご紹介します!

 

渋谷区初台 お狐様(狐像)

 

渋谷区の初台にて、お狐様の像を新しく製作させていただきました。代々木八幡宮様からのご紹介でご相談をいただいて、まずは現地に伺い状況を確認させていただきました。

 

こちらがご相談いただいたお狐様です。長い間、地域の皆様で守られてきたそうです。ずいぶん昔に砂岩で作られているようでした。対面するもう一方のお狐様は崩れてしまっており、このお狐様も今にも崩れてしまいそうな状況でした。

町内会の代表の方々とお話をさせていただきました。費用はあまりかけられないというお話でしたが、低予算でもご用意できる中国製の狐像の写真、愛知県岡崎にあってこうした彫刻を得意とされている磯貝石材さんの狐像の写真、両方を見ていただきました。皆様で検討された結果、「やっぱり少し費用が掛かっても良いものがいい」というお話になり、狐像の方は磯貝石材さんにてお願いすることになりました。

製作を依頼して、岡崎の方で完成した狐像は私の東京の工房まで届けてもらいました。年末に届いたその像を工房で台座の石と接着し、年が明けてから日の良い時に設置に伺いました。

 

据え付け完了です!

以前の像の大きさと同じ、限られたスペースに設置できるサイズで製作しました。愛知県で採れる花沢石という白御影石です。石の特性から、硬くても加工しやすいため、彫刻品に適した石なんだそうです。

向かって左のお狐様は巻物を、右のお狐様は宝玉をくわえています。調べてみると、巻物は「知恵の象徴」で、宝玉は「稲荷大神の霊徳の象徴」なんだそうですよ!

 

町内会の方々で榊とお酒をお供えされて、新しくなったお狐様をお迎えしました。据え付け工事中は集中して行っていたのであまりお話できませんでしたが、数人の方が立ち会って、見守ってくださっていました。完成後は喜んでくださって、「ありがとうございました」とお声かけいただきました。これからは新しいお狐様が、変わらず地域の皆様を見守ってくださるでしょうね。

今回お仕事をさせていただいた渋谷区初台は、私が若いころ、石工の修行をしていた石材店がある地域です。このお稲荷様は店からとても近いのですが少し奥まったところにあるので、これまで全く存在に気付かず、初めに伺ったときは「こんなところにあったんや~」と、新しい発見でした! 偶然お話をいただいたお仕事でしたが、これも何かのご縁かもしれません。後日、亡き師匠と一緒に自分の作った五輪塔を見に行く・・・なんて夢も見ました^^ 行く直前に目が覚めてしまったので感想は聞けずじまいでしたが、修行時代のこと、師匠のこと、色々なことを思ったお仕事でした。