文京区小石川善光寺様にて、茨城県産やさと御影の寺標を設置

東京都一円にて、お墓づくりをはじめ、お墓の様々なご要望にご対応しております、一銀(かずぎん)石材の稲田圭二郎と申します。文京区小石川善光寺様にて、茨城県産やさと御影の寺標を設置させていただきましたので、ご紹介いたします!

 

文京区 小石川善光寺の寺標  八郷御影

 

今回は、お寺様の寺標を設置するお手伝いをさせていただきました。お付き合いのあるお寺様が、「いい石屋がいるよ」と当店をご紹介くださったそうです。ありがとうございます!

 

お話をいただいた小石川善光寺様です。このたび代替わりの「晋山式」を迎えられるそうで、これを機に山門右側の寺標を新しく設置したいとご希望でした。

 

もともとあった寺標です。小石川善光寺様は徳川家康公の母 於大の方にゆかりのあるお寺様で、ご本尊が信濃の善光寺の御分身だったことから、明治に入って「月参堂 縁受院 善光寺」という寺名になったそうです。「月参堂」という名称は、月に一度のお参りや、月が仏様にも喩えられること等に由来しているそうで、もともとの寺標はこの古くから親しまれてきた「月参堂」という名前が彫られていました。ご希望でこちらの寺標はお寺の中の他の場所に移設して、ここには新しい寺標を設置することになりました。いくつかご提案した中から気に入ったものをお選びいただいて、設置工事に入りました。

 

工事のようすです。まずは古い寺標を取り外して、土間部分のコンクリートをはつって解体しました。新しい寺標を設置する場所に基礎工事をして、土台の石を据えたところです。取り外した古い寺標はひとまず仮置きしておきました。

 

台座の上に、寺標本体を設置します。今回は、「大入れ」といって寺標本体の底面と台座に凹凸を設けていて、凸部を差し込んでかみ合うように設置しています。地震などの横揺れでも倒れにくい構造で、さらに耐震ボンドをたっぷり使って強度を高めます。

 

寺標の設置が完了しました。ここからは、周りの土間部分をきれいにしていきます。

 

今回は土間部分を「洗い出し」という方法で仕上げます。古いコンクリートはひび割れなどもあったので、はつって取り外していきます。

 

「洗い出し」の下地となるコンクリートを打ったところです。参道の左右両方に施工しました。

 

寺標の周りもきれいに打ち終わりました。しっかり固まるまでしばらく養生します。

 

後日、左官職人さんに協力いただいて、洗い出し仕上げを進めていきます。「洗い出し」は、玉砂利とセメントを混ぜたものを施工する方法です。砂利は大磯を使用しています。

 

右奥では仕上げの段階に入っています。左側も両端から作業が進んでいます。職人さん三人がかりでの作業でした。

 

最後に水を撒いて、工事完了です! きれいに乾燥したら仕上がりとなります。

 

施工が完了したばかりの「洗い出し」です。よく見るとこのように細かい砂利が表面に見えます。味わいがあって素敵な仕上がりです。

 

新しい寺標の正面は、「月参堂 善光寺」としました。デザインは、鉄平石や根府川石等のような自然石のものも複数ご提案した中から、こちらをお選びいただきました。茨城県産やさと御影を使用し、すべて日本国内で加工で仕上げました。正面文字はもともとご住職様がお持ちだった文字を彫刻しています。額縁加工で額の内側は磨き仕上げ、外側は「コヤスケ」という道具を使ったコブ出し・割肌加工になっています。台座は天面が小叩き加工、側面はコブ出し加工です。磨いて仕上げたところは少し青味のある色合いになります。

 

寺標裏側はこのような彫刻があります。このたび新しく変わられるご住職様が書いてくださったもので、「光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨」と彫られています。新設にあたり、心をこめて書いてくださいました。

 

ご住職様にはとても喜んでいただけました。晋山式を終えられてから、「このたびは素晴らしい石工の業を納めていただきありがとうございます」というお礼に始まり、「おかげさまで本日無事に晋山をすることが叶いました。本当にご助力ありがとうございます。とてもいい形にしていただいて、感謝ばかりです」というとてもありがたいお言葉をいただきました。檀信徒の皆様にもお写真でご報告される予定だそうで、その時は寺標の前で一緒に写真を撮ってほしい、「今後とも石工の業でお支えください」というとても嬉しいお言葉とともに、「ぜひ一献ご一緒しましょう」とお誘いもいただきました^^ 私からも、歴史に残るお仕事をさせていただけて大変ありがたく思っていることをお伝えして、「ぜひ近いうちに飲みに行きましょう!」とお返事させていただきました。このたびは、大切な寺標の建立をお任せいただきまして、ありがとうございました。これからもご住職様や檀信徒様のお役に立てますよう、お手伝いさせていただければ幸いです。

今回は、お寺様の寺標の新設のお手伝いでした。とても実直なお人柄のご住職様で、石工の仕事にも深い理解と興味を持って下さっていて、このたびご縁をいただけたことを私もとてもありがたく思っております。ご家族で私の仕事ぶりを見に来てくださったこともあり、なんと息子さんには私を自由研究の題材にしてもらいました^^ ご住職様にとって人生の節目となる晋山式に、このような大切なお仕事をお任せいただけて大変光栄に感じています。よい思い出としていただければ嬉しいばかりです。