渋谷区代々木八幡宮にて、長谷川伸先生・平岩弓枝先生の記念碑を建立
東京都一円にて、お墓づくりをはじめ、記念碑や石工事など様々なご要望にご対応しております、一銀(かずぎん)石材の稲田圭二郎と申します。今回は、これまでもたびたびお仕事をさせていただいている渋谷区の代々木八幡宮様にて、長谷川伸先生と平岩弓枝先生の記念碑を建立させていただきました。

渋谷区 代々木八幡宮 長谷川伸先生・平岩弓枝先生の記念碑工事 神奈川県産根府川石
今回のお話は、平岩弓枝先生とゆかりのある新鷹会様からいただきました。代々木八幡宮様ともご縁の深い平岩先生を偲び、長谷川伸先生と平岩先生、それぞれの碑を並べて建立する工事です。今回は、記念碑にふさわしい自然石を探すところから、じっくり取り組ませていただきました。
【長谷川伸】(はせがわ‐しん)
[1884~1963]小説家・劇作家。神奈川の生まれ。新聞記者を経て、大衆小説や時代物の戯曲を多数発表、股旅物またたびものの創始者といわれる。代表作 戯曲「瞼の母」「一本刀土俵入」「沓掛時次郎」など。
【平岩弓枝】ひらいわ‐ゆみえ
[1932~2023]小説家・劇作家。東京の生まれ。親しみやすいタッチで幅広いテーマを扱い、さまざまな時代を生きた女性を描き出し、共感を集める。「鏨師(たがねし)」で直木賞受賞。他に「花影の花」「御宿(おんやど)かわせみ」シリーズなど。
まずは、代々木八幡宮様の境内で記念碑をどこに建立するかを検討しました。実際に境内を歩きながら、いくつかの場所を見て回り、周囲の雰囲気や記念碑を設置した時の見え方なども考えました。その中で、境内の中央に近いこちらの場所が一番よいのではないかということになり、ご担当者様とお話をして、建立場所を決定しました。
場所が決まったところで、基礎工事から始めます。記念碑を設置するため、まずは地面を掘り下げています。今回使用する自然石は大きさも重量もありますので、それを長く安定して支えるためには、土台となる基礎をしっかり作っておくことが大切です。
掘削を進めて地盤の状態を確認したところ、よりしっかりとした基礎にしておいた方がよいと判断し、杭を打つことにしました。ある程度深いところにある固い地山まで届くよう、杭を打ち込んでいます。
杭打ちを終えたあと、砕石を入れて転圧しているところです。機械を使ってしっかり締め固め、安定した下地を作っていきます。
地盤を締め固めたら、コンクリートを打つための型枠を組み、その中に鉄筋を配置しました。鉄筋を入れたコンクリート基礎を作ることで、大きな自然石を支える丈夫な土台にしていきます。
コンクリートを打設しました。十分な養生期間を置いてしっかりコンクリートが固まったら、基礎の完成です。
今回の工事では、現地で基礎を進める一方で、記念碑に使用する石探しにも時間をかけました。記念碑にふさわしい石として、神奈川県で採れていた根府川石をご提案し、石の選定もお任せいただきました。
自然石ですから、一つひとつ大きさも形も表情も違います。根府川石は今はもう採掘されていないため、茨城県や群馬県、埼玉県などへ足を運びながら探しました。ここでは全部で20枚ほどの石を見て、記念碑として使える大きさがあり、なおかつ質のよいものをじっくり探していきました。

「これは」と思った石の表面を磨いたところです。結局はこの石も不採用となったのですが、表面を磨くとこのような艶のある質感になります。最終的には、埼玉県で「これならいい」と思える石にようやく出会うことができ、工房で加工を行いました。
代々木八幡宮様の境内に、二つの記念碑が完成しました。選定した自然石は、その持ち味を生かしながら表面を仕上げ、それぞれに先生の言葉を彫刻しています。自然石の下には、茨城県産のやさと御影の台座を設置しました。自然石の形を残しつつ、彫刻した文字がしっかりと見えるように仕上げました。
右側(長谷川先生)
向かって右側が、長谷川伸先生の記念碑です。碑面には、平岩弓枝先生に贈られた言葉として、新鷹会様からご指定いただいた内容を彫刻しました。力強い文字と自然石の表情がよく合うように感じます。今回、石を探している時から、長谷川先生の碑にはこうした力強い雰囲気の石が合うのではないかと考えていましたので、イメージに合う石を見つけることができて安心しました。
左側(平岩先生)
向かって左側が、平岩弓枝先生の記念碑です。こちらにも、新鷹会様からご指定いただいた平岩先生のお言葉を彫刻しています。長谷川先生の碑とは少し印象を変え、自然石の柔らかな表情を感じられるものを選びました。


記念碑の完成後には、代々木八幡宮様で除幕式が行われました。当日は新鷹会の皆様をはじめ、代々木八幡宮様の世話人様など、たくさんの関係者の方がお集まりになりました。私もご挨拶させていただき、今回なぜ自然石、それも根府川石がよいと思ったのか、そして石探しは苦労もしましたが、最終的には長谷川先生には力強い石、平岩先生には柔らかな印象の石と、それぞれイメージに合うものを見つけることができたことをお話しすると、皆様に喜んでいただくことができました。
除幕式を終えたあと、平岩弓枝先生のご親族様と一緒に記念撮影をさせていただきました。根府川石は今は採れていない石なので、本当にいい根府川石が見つかるのかどうか、気をもんだ時期もありました。最終的にはそれぞれイメージに合うものを見つけることができ、喜んでいただけて本当によかったです。このたびは、このような大切な記念碑の建立を一銀石材にお任せいただきまして、誠にありがとうございました。先生方を偲ぶ皆様の思いをこのような形にするお手伝いができましたことを大変うれしく思います。大変貴重な機会をいただけましたことに、改めまして感謝申し上げます。ありがとうございました。
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